社外取締役からのメッセージ

写真:社外取締役の集合写真
2026年8月

構造改革を支える組織づくりと人材育成について

真鍋(靖):次期中期経営計画では、これまでの投資を確実に回収しつつ、将来性の低い事業からは撤退し、伸びる領域に経営資源を集中させる「選択と集中」をより明確に進めます。事業の撤退には、生産工場の閉鎖や人員の整理などの痛みも伴う大きな決断と、事業・研究・人材の各戦略を一体として統合した計画が必要です。

佐藤:人材育成については、居心地の良さや働きがいを感じながら、長く働き続ける中で長期的に成長できる環境が整っている印象です。

真鍋(美):働きがいは一種の非財務のインセンティブ報酬です。学びや挑戦の機会の充実、社員への譲渡制限付株式の付与などにより、働きがいを感じられる社風を作り、「選ばれる会社」であり続けることで、人材不足が深刻化する中でも競争力の源泉を確保・強化することができます。

栗原:研究所での発表会も、幅広い年齢層の研究員たちが事業所横断で活発に交流しており、非常に良い雰囲気でした。一方で、役員クラスの人材については、経験の多様性や体系的な育成という面で、まだ道半ばという印象です。

真鍋(靖):当社は、川上の日本瓦斯化学工業と川下の三菱江戸川化学の2社をルーツとする、基礎化学品と機能化学品の2つの事業部門を持っています。経営人材の育成では、どちらかの事業領域に偏らず、川上・川下の双方を経験させる事業間のローテーションを更に積極的に行い、幅広い経験を積んだ上で経営陣となるプロセスが強化されるとより効果的な人材育成につながると考えます。

技術起点の独自性を活かし、次の成長ステージへ

栗原:カーボンニュートラル領域の技術や製品群については、すでにパイロットプラントを建設しているなど、当社は他社に先駆けて次の成長ドライバーの種を育てています。事業化に適したタイミングが訪れるまで技術的な優位性を失わないよう、常に先端を走る意識を持ち続けてほしいと思います。

佐藤:カーボンニュートラル化の進展は、国際情勢やエネルギー価格等の影響で短期的には揺らぐことがあっても、中長期的な社会全体の方向性としては不可逆です。当社が技術的な強みを持つこの領域に軸足を置いていくことは、戦略的に妥当だと考えています。

真鍋(靖):AI・半導体分野という既存の成長ドライバーを更に伸ばしながら、カーボンニュートラルをはじめとする次世代領域で新たな成長の柱を育ててほしいです。また、多様な研究シーズの中から、次のホームランバッターが誕生することを期待しています。

佐藤:グローバルに展開する企業として、ガバナンス強化やデータドリブン経営等で守備もしっかり固めつつ、国際情勢の激しい変化も脅威ではなく機会として捉えられる組織を目指し、バランス良く成長してほしいと思います。

栗原:厳しい事業環境にある基礎化学品も、川下寄りへの軸足の移行など、工夫の余地はまだあるように思います。合成樹脂分野でも製品仕様の合理化といったコスト対応の工夫も考えられます。日本の化学の存在感を維持するためにも、産業の根幹を支える素材・材料の提供を担う化学企業の一角として、MGCにもどうにか踏ん張ってほしいところです。

真鍋(美):川上から川下まで幅広く事業を手掛け、技術起点で独自性を発揮できるのが当社ならではの価値です。多様な事業に取り組んでいることがマイナスに捉えられることがないように、「Uniqueness & Presence」事業の取り組みを中心に、社会により広く分かりやすく発信していくことが重要だと思います。構造転換期における抜本的な構造改革の着実な実行を期待しつつ、掲げた目標の達成に向けて支援していきます。